「地球防衛軍5」で妻の本性を見る
私と妻は、ここしばらく地球を守っている。
世界中のEDF(Earth Defense Forces)隊員が首を長くして待った「地球防衛軍5」が発売されている。国内でのDL版とパッケージ版合わせて25万本の販売本数を記録しているようだ。私が学生の頃よりも入隊者が多いようで嬉しい。
かつては友と地球を守っていた私だが、今では妻と地球のために戦っている。プレイ時間20時間ほどで、ストーリーモードのノーマル難度をクリア。今回はシリーズでいちばん面白かったように思う。
最新ナンバリングタイトルとなる今作でも、迫り来る巨大昆虫は健在で、巨大アリをミサイルランチャーで吹き飛ばし、巨大クモの糸に絡め取られ、巨大ダンゴ虫に轢き殺される。これが「地球防衛軍」隊員としての私のお仕事だ。
ウイングダイバー(機動力特化の空飛ぶ兵士)なのに、ひたすら棒立ちでホーミング武器をぴゅいぴゅい撃っている妻を置き去りに、敵陣真っ只中で私はエイリアンたちと骨肉の戦いを繰り広げる。
地球とはこうやって守るのだよ。と妻にドヤったあたりで巨大昆虫の群れにリンチされる。そんな毎日だ。
今作ではついに「レンジャー」にダッシュ能力が追加され、機動力の無さという最大の欠点がある程度克服されている。段差も越えられないし、カメラが寄ってしまうので、まだまだ使い勝手は完璧ではないが、大いなる進化には違いない。だって今まではひたすらローリング(緊急回避)で移動していたんだから。
武器に関してもシステムのマイナーチェンジが実装された。ソシャゲでよくあるように「同じ武器を拾ったら、その武器の性能がどんどん上がる」タイプの仕様が追加!
これでお気に入りの武器が少々古くて型落ちしても、粘って使用する事も不可能ではなくなった。
そして味方のモブ兵士たちがまぁまぁ硬くなったようだ。これまでの紙装甲はどこへやら、まぁまぁ闘えるように訓練されている。
新種の敵も登場する。人型のエイリアンや、それが鎧をまとった重装備の人型エイリアンなんかが、空からカプセルタクシーみたいなのに揺られてシュールにやってくる。
私はオフラインでしかプレイしていない(オンではまずゲームをやらない)が、じゅうぶんに楽しめている。この後は難易度を高めて地球を守っていくことになるだろう。妻の爆撃攻撃に巻き込まれながら。常に後方につっ立っている妻のレーザー攻撃を背中に浴びながら。それでも地球を守るために銃を乱射するだろう。
社交に長けたオトナたちは「ゴルフを一緒にプレーすると、その人の本当の人柄が分かる」と豪語するが、このゲームもある意味においてその役割を果たしてくれる。無表情で、まばたきもせずに「死ね……死ね……死ねクソッ……」と呟き続ける妻の姿がそれを教えてくれた。
妻よ、それがきみの本性なのか?
パートナーが死んだ時もなかなかステキな空気になる。死んでしまった側のやるせない感情がただよい、死んだ相方を助けに走るプレーヤーの心の中の舌打ちが聞こえる。本当に聞こえる事がある。妻よ、さてはきみ本当にしているな?
次のステージでは死ぬ立場が逆になるのも、このシリーズのお約束だ。だから、自分がちょっと優位に立ったからって、誰かの失敗を責めてはいけないのだ。
誰かと一緒に遊ぶと、まるで人生へのアドバイスをくれるゲームのようにもなりますな。そうそう、これでよく友達とケンカ腰になったり、親指立てあったりしたものだ。
接待ゲーにも、夫婦や恋人同士のプレイにも対応できる「地球防衛軍5」。
伝統芸のチープさは更にスタイリッシュに! それとは逆に、お馴染みの処理落ちは改善!
興味のある方はぜひ地球を守ってみるべし。