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ブラック会計事務所勤めで人生詰んだ私があなたのヒマをつぶすブログ

科学やべーぞ「スーパーヒューマン誕生!」

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最近させていただいたライティングの仕事の中で、非情に興味深かったものが「ヒトと機械の融合」という記事内容だった。もともと興味もあったので調べながらワクワクし、少しくらい最先端の科学を覗いてみたいという気持ちも生まれた。仕事終了してもまだ知りたくて、とりあえず手に取ったのがこの本だが、素人にも分かりやすい。

世界一の商売人ドナルド・トランプが大統領に選ばれたあの米大統領選挙で、好敵手ヒラリー・クリントンばかりがイジられていたのを誰もが覚えているだろう。じつはあの時、もうひとりのある落選者とその思想が、私の倫理観と価値観をゆさぶっていた。それがトランスヒューマニストゾルタン・イシュトヴァンだ。彼の存在を知っている方も多いだろう。

彼は機械と人間の融合こそが、人類をあらたなフロンティアへ導くのだと提唱し、トランスヒューマニズムの持つ可能性と、人間をもうひとつ上のステージへ押し上げる未来を、あるいは進化を叫んだ。

この男が世界に与えた衝撃の大きさは少し調べていただければすぐに分かる。もし少しでも興味があるのなら「トランスヒューマニスト」や「トランスヒューマン」あるいは「ゾルタン・イシュトヴァン」で検索してみて欲しい。《未来》ってもう《今のココ》なんだ、ってすぐ気付くから。

 

たとえばマイクロチップ。米粒なみのサイズになったマイクロチップを身体の中に埋めこんでいる生物は、現在地球上にどれだけいるだろう。調べたところ、既にめちゃくちゃいっぱい居る。日本にだって犬にマイクロチップが入りまくっている。しかも海外ではかなりの人間に「身体に機械を埋めこんでいる」事実がある。タトゥー並の気軽さで身体に機械を入れられるのだ。手の親指と人差し指のあいだに入ったこの「米粒」は究極の個人情報になる。それが実現させる未来は、「手をかざすだけで通れる改札」「病院へ搬送された患者の血液型や病歴などの情報の瞬間共有」から「預金口座」と「家の鍵」というものまで。さらに小型化された機械は血管の中にだって入れられる。メタルギア」シリーズでお馴染みの「体内のナノマシンによる○○」が現実になる。具体的にできることを言えばがん治療だ。現行の抗がん剤は、がん細胞いがいの必要な細胞まですべて破壊する。それゆえに生物を破壊するほどの副作用を引き起こすが、もしそれがナノマシン(賢い機械)だったらどうなるか?

血管の中を流れる無数のナノマシンに『がん細胞と出会ったときだけ、仕事をしろ』と命令しておけば、ほかの細胞を殺さずにがん細胞だけをピンポイントで殺してくれる。これは人体実験の手前まで進んでいるお話のようだ。

 

 

ものを無くすのも技術のカタチだ。上に挙げた「鍵」は物理的に存在しなくなりつつある。物質的な「鍵」は姿を消し「指紋・眼球(光彩)認証」や単純な「暗証番号」、なかには「スマートフォンで開閉操作」する見えない鍵がこの世にあふれている。仮想通貨で「現金」も消えるかもしれない。AIの進化で奪われる人間の職業に「税理士」がある。バルト三国のひとつエストニアでは、未来の話ではなく、いま既に国から会計士と税理士が消えたのだ。政府の管理するクラウドコンピューティングシステムで、全国民の預金と納税額が管理されているからだ。税理士が電卓叩いて計算しなくてもエストニアでは正しく税金が納付されている。

 

 

じゃあ今度は逆に「存在しないモノ」を作りだしてもらおう。そう、人工四肢に人工内臓だ。脳から送られる電気信号を人工の四肢に連動させるシステムが開発されている。これこそがいま私たちが想像するSF(サイエンス・フィクション)の世界だ。本当にもうすこし先に待っているかもしれない。電気信号で動く手足を持っていれば身障者を助けられるばかりか、開発が進む「外骨格スーツ」や「パワーアーマー」にも飛躍的な発展を与えるだろう。ちょっとだけ想像してみて欲しい。手のない人間に義手をつけて、羽のように軽いものを手で包みこんでもらって、誰かの頬をなでてもらって、そのあとに指2本でコインをぐにゃっと曲げてもらう。これが全て可能になる義手をもつ人間は、もはやひとつ進化した人間となるだろう。

さらに人工アームで腕を増やすことだって可能になる。映画「スパイダーマン2」に登場した宿敵「ドクター・オクトパス」はご存知だろうか? 腰のあたりから4本の人工アームが出ており、それで歩いたり壁を登ったりするSFの申し子である。ヴィジュアルが浮かばない方は「テラフォーマーズ」に登場するヒョウモンダコの劉さんがタコ足を地面にベタっと突っ張るところをイメージしてみていただきたい。アレである。

 

内容は割愛するが、じつはこのドクター・オクトパス状態まで生物をもっていく事に、科学は既に成功している。サルを使った実験で、脳波の命令を察知した人工アームを動かして水を飲んだりモノを動かしたりさせる事が実現されたのだ。言うまでもないが、サル自身はその場で指一本動かさずに「脳の命令だけで」ロボットアームを操っている。ドクター・オクトパスが、ニンゲンである自分本体は腕組みしたままロボットアームだけでズンズン歩くあの状態だ。

 

 

ヒトと機械はあらゆる意味で、いずれひとつになる。

最新の科学技術を明かしてくれる本著を最後に紹介すると、

麦わらのルフィの「伸びる腕」の実現から、エヴァの「ATフィールドや暴走」から、「攻殻機動隊」の光学迷彩から(メタルギアステルス迷彩。これはもう完成しつつあるって知ってた?)、割と最近のアニメ「サイコパス」の管理システムから「PSP」や「モンハンポータブル」の小話に「鉄人28号」をヘボいジョイスティックで操作する技術と可能性から、ドラえもんガッチャマンも飛び出してゴルゴ13の「オレの後ろに立つな」状態の実現方法まで。

 

分かりやすすぎる例えと単語で(HOW )《なにをするための技術を、どうやって》といういちばん面倒くさい部分を(WHAT )《どのキャラクターの能力を、いかにして》に変換して面白く教えてくれている。あたまの良い人って、そうじゃない人(その分野に特化していない人)に対してどうやってソレを伝えるのか無意識に分かってるよね。この著者もそうだ。

 

 

このまま続けて1万文字綴ってもどうせまとまらないので、私の独り言はもうやめる。

なにか興味あったら検索してみて。この本も読んでみて。

「まだオリンピックなんて観てんの? ヒマなの? あいつらヘボいじゃん」っていつか言われる時代がくるから。そのときは「機械と一体化した超人たちの異次元バトルが繰り広げられるパラリンピックが最強」なんて感覚が当たり前の世界になってるから。